「授乳中じゃないのに…」乳頭分泌物の原因は?【医師解説】|みなと横浜ウイメンズクリニック
「授乳中でもないのに、乳頭から母乳のような分泌物が出る」「下着にシミがついている」
こうした症状に気づくと、病気ではないかと不安になってしまいますよね。
実は、乳頭からの分泌物は、女性の生涯で20〜25%の方が経験するといわれる、比較的よくある症状です。
その原因の多くは、ホルモンバランスの変化やお薬の影響による良性(心配のないもの)ですが、中には詳しい検査が必要な病気が隠れていることもあります。
このページでは、ご自身でチェックできるポイントや、考えられる原因、当院で行う検査について、分かりやすく解説します。
1. まずはセルフチェック!受診が必要な「危険なサイン」
乳頭分泌において、最も重要なのは「分泌物の色」と「出方」です。鏡の前で、以下のチェックリストを確認してみてください。
⚠️ 早めの受診をおすすめするサイン
(病的・器質性の可能性)
もし以下に当てはまる場合は、乳腺外科の受診をおすすめします。特に「血が混じっている」場合は、乳管内のポリープ(乳頭腫)や、早期の乳がんが隠れている可能性があるため、放置せずに検査を受けることが大切です。
- 色が赤い、茶色い、黒っぽい(血液が混じっている)
- 片方の乳房だけから出る
- 絞らなくても、勝手に下着に付着している
- しこりがある、または乳頭がただれている
✅ その他の特徴
(生理的・ホルモンの影響)
以下の特徴がある場合、ホルモンバランスの影響やお薬の副作用など、全身的な原因であることが多く、乳がんのリスクは低いとされています。
- 色が白っぽい(ミルク状)、透明、黄色、緑色
- 両方の乳房から出る
- 複数の穴から出る
- 強く絞った時だけ出る
※ただし、自己判断は難しいため、一度乳腺専門医にご相談ください。
2. なぜ出るの?考えられる主な原因
分泌物が出る原因は、大きく分けて3つのパターンがあります。
① お薬の影響(薬剤性高プロラクチン血症)
実は、病院で処方される一般的にお薬の副作用で、乳汁が出ることがとても多いです。「プロラクチン」という母乳を作るホルモンが、お薬の影響で増えてしまうためです。
- 胃薬・吐き気止め(ドグマチール、プリンペラン、ナウゼリンなど)
- 心の不調を整えるお薬(抗うつ薬、安定剤など)
- 一部の血圧のお薬
これらのお薬を飲んでいて分泌が始まった場合、お薬が原因の可能性が高いです。勝手にお薬を中断せず、まずは主治医や当院にご相談ください。
② ホルモンバランスや体質
お薬を飲んでいなくても、ストレスや甲状腺の機能低下、あるいは脳の下垂体という場所にできる良性のできもの(プロラクチノーマ)が原因で、プロラクチンが高くなることがあります。
また、断乳後1年以上経っても、少し分泌が続くことは珍しくありません。
③ 乳腺の病気(乳管内乳頭腫・乳がんなど)
乳管(ミルクの通り道)の中に、「乳頭腫」という良性のイボや、「乳がん」ができると、そこから出血して血の混じった分泌物が出ることがあります。この場合、「片側の乳頭の、決まった穴から出る」ことが多いのが特徴です。
3. クリニックで行う検査
当院では、患者さんのお話(問診)を詳しく伺った上で、必要な検査を行います。
| 検査の種類 | 何がわかるの? |
|---|---|
| マンモグラフィ | しこりや、乳がんの初期に見られる「石灰化」がないかを確認します。 |
| 超音波(エコー) | 乳管が太くなっていないか、乳管の中に小さなしこりがないかを確認します。痛みのない検査です。 |
| 分泌物細胞診 | 必要な時は分泌物をガラス板に少しとって、顕微鏡で悪い細胞(がん細胞)が混じっていないかを調べます。 |
| 血液検査 | 必要な時はホルモン(プロラクチンや甲状腺ホルモン)の値を調べ、お薬やホルモン異常が原因かどうかを判断します。 |
4. よくある質問(Q&A)
授乳を終えてから数年、長い方では1年以上経っても、絞ると少量の分泌液が出ることがあります。これを「乳汁漏出症」と呼ぶこともありますが、白っぽく、血液が混じっていないようであれば、生理的な現象の範囲内であることが多いです。
「まだ出るかな?」と気になって乳頭を絞ったり触ったりすると、その刺激が脳に伝わり、「赤ちゃんがおっぱいを吸っている」と勘違いして、さらに母乳を作るホルモンを出してしまいます。これを繰り返すといつまでも止まらなくなってしまいます。
「気になっても触らない・絞らない」ことが、早く止めるための近道です。
ピルに含まれる女性ホルモン(エストロゲン)の影響で、胸が張ったり、分泌物が出やすくなったりすることがあります。飲み始めに多く見られますが、気になる場合はご相談ください。
最後に
乳頭からの分泌物は、身体からのサインの一つです。
しかし、万が一の乳がんを見逃さないために、また、ホルモンの異常を早期に見つけるために、一人で悩まず乳腺専門医の診断を受けることをおすすめします。
症状について気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
当院は、異国情緒あふれる横浜元町・中華街エリアにございます。
クリニックでのケアの後は、山下公園を散策したり、元町ショッピングストリートでお買い物を楽しんだりと、心身ともにリフレッシュされる患者様が多くいらっしゃいます。
婦人科 / 乳腺外科 / 皮膚科 / 美容皮膚科 / 全科女性専門医
各科連携のできる女性複合クリニック
〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町30-1 パークコート山下公園305
みなとみらい線「元町・中華街駅」A1出口 徒歩1分
診療時間:月~土 9:00~18:00(火曜・土曜は隔週診療)