新しい子宮頸がん検査 HPV検査とは
子宮頸がん検診に「HPV検査」が導入されつつある
現在、日本の自治体で行われている子宮頸がん検診の主流は、子宮の細胞を採取して調べる「細胞診」です。しかし、近年、海外で多くの研究が進み、**ヒトパピローマウイルス(HPV)**というウイルスの感染を調べる「HPV検査」が、新しい検診方法として注目されており、横浜市では2025年より導入されています。
HPV検査のメリットとデメリット
HPV検査は、細胞診とは異なる特徴を持っています。
😃 HPV検査のメリット
- 高い精度の検査結果
- HPV検査は客観的な検査なので、検査する人や場所によって結果が変わることがほとんどありません。
- がんになる前の段階の病変(HSIL/CIN2以上)を見つける能力が非常に高く、細胞診よりも多くの病変を発見できます。
- 検診を受ける回数を減らせる
- HPV検査で「陰性」(HPVに感染していない)と判定された人は、その後数年間はがんになるリスクが非常に低いことがわかっています。
- そのため、細胞診の場合よりも、検診を受ける間隔を2〜3倍に延ばすことができるとされています。
😔 HPV検査のデメリット
- 精密検査を受ける人が増える
- HPV検査は、がんの可能性が低い人でも「陽性」と判定されることがあり、これを偽陽性と呼びます。
- そのため、不必要な精密検査が増え、医療費がかさんだり、患者さんの負担が大きくなったりする可能性があります。
最新のガイドラインと今後の展望
2019年に発表された日本の最新の産婦人科ガイドラインでは、子宮頸がん検診の方法として以下の3つが示されました。
- 従来の細胞診
- HPV検査のみ(単独法)
- 細胞診とHPV検査を組み合わせる方法(併用法)
「HPV検査単独法」は、従来の細胞診と同じように、がんになる人を減らす効果が期待できるとされ、「強く推奨する」という評価を受けています。この方法を用いる場合は、5年間隔での検診が望ましいとされています。
HPV検査・細胞診 いずれも膣鏡という器具を使って子宮の入り口を見やすくし、ブラシなどで軽くこすって細胞を採取しますが細胞診ではがん細胞やがんの前段階の細胞がないかを調べることに対してHPV検査では子宮頸がんのもととなる大きな原因のHPVウイルスがいないかどうかをみています。
横浜市での子宮頸がん検診
2025年より30歳~60歳の方は「HPV検査単独法」の対象となっており
・HPV陽性(+)の場合
採取した検体を使って自動的に「細胞診検査」が行われます。その結果、要精密検査となるか、1年後の再検査となります。
・HPV陰性(-)の場合
次の検診は5年後となります。
20~29歳、61歳以上の方に対しては2年に1度、従来の子宮頸がん細胞診を行っています。
また、婦人科検診には子宮がん検診のほかに経腟エコーがあります。 経腟エコーでは子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣の病気など女性としてのライフスタイルに大きな影響を及ぼす病変をみつけることができますが 公費では対象となっていません。
では婦人科検診は5年に一度でよいのか?
婦人科検診には子宮頸がん検診のほかに子宮体がん検診や経腟エコーがあります。
経腟エコーでは子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣の病気など、女性のライフスタイルに大きな影響を及ぼす病変を見つけることができますが、公費の対象ではありません。経腟エコーは1年に1度の受診が推奨されており、5年に1度では不十分です。また、HPV以外の原因による子宮がんは、HPV単独法では見つけることができません。
子宮体がん検診はすべての女性に推奨される検査ではなく、特定の条件の女性に推奨される検査です。
経腟エコー(超音波)についてはこちら
子宮体がん検診についてはこちら
子宮がんの原因となるHPVはワクチンで大部分を予防することが可能です。詳しくはこちら
当院では横浜市乳がん検診・子宮がん検診を同日に受診できます。
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各検査を女性専門医(乳腺専門医・産婦人科専門医)が担当します。(月曜日〜土曜日)火曜定休➡10月より診療開始