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過多月経(生理の量が多すぎる)について

2025.09.12

 

過多月経について

 

過多月経とは、月経中の出血量が異常に多い状態を指します。一般的に、1回の月経で140ml以上とされていますが、正確な量を測ることは難しいため、日常生活に支障をきたすほどの出血がある場合に過多月経が疑われます。

 

症状

 

  • 経血量が多い
    • 昼間でも夜用ナプキンを使ってそれでもまにあわない。
    • 1〜2時間ごとにナプキンやタンポンを交換しないと漏れてしまう。
  • 経血にレバー状の大きな血の塊が混じる。
  • 貧血の症状
    • 過多月経が続くと、鉄欠乏性貧血を引き起こすことが多く、以下のような症状が現れます。
      • めまい、立ちくらみ
      • 動悸、息切れ
      • 倦怠感、疲れやすさ
      • 顔色が青白い
      • 爪が変形したり、もろくなったりする

 

原因

 

過多月経の原因は、大きく分けて以下の3つに分類されます。

  1. 婦人科器質性疾患
    • 子宮に明らかな病気がある場合です。代表的なものとして、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープ、子宮内膜増殖症などがあります。
  2. 婦人科機能性疾患
    • 女性ホルモンのバランスの異常が原因となる場合です。
    • 排卵が起こらない無排卵性周期症や、黄体ホルモンの分泌が不十分な黄体機能不全などが挙げられます。
  3. 内科的疾患
    • 血液が固まりにくい体質(血液凝固異常)や、血小板が減少する血液疾患などが原因で起こることがあります。

 

治療法

 

過多月経の治療法は、原因となる疾患や患者さんの年齢、妊娠・出産の希望の有無などを考慮して決定されます。

  • 薬物療法
    • ホルモン療法:ホルモンバランスの異常や子宮の病気が原因の場合に有効です。
      • 低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP):月経量を減らし、月経痛を軽減する効果があります。
      • GnRHアゴニスト:女性ホルモンの分泌を抑え、月経を一時的に停止させます。
      • 子宮内黄体ホルモン放出システム(ミレーナ):子宮内に黄体ホルモンを放出する器具を挿入し、長期的に月経量を減らします。詳細はこちら
  • 手術療法

 

過多月経は貧血の症状を伴わなくても日常生活で大きな支障をきたすことがあります。

症状に当てはまるものがある方は、婦人科医師にご相談ください。