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ピル(経口避妊薬)の種類と正しい服用方法【産人科専門医による解説】

2025.10.09

 

ピル(経口避妊薬)について

種類・効果・正しい服用方法ガイド

ピル(経口避妊薬)は、女性の体内のホルモンバランスを調整することで、避妊だけでなく、月経困難症や子宮内膜症といった症状を改善するためにも使われるお薬です。

ピルにはいくつかの種類があり、含まれるホルモンの量や服用目的によって分類されます。ご自身の目的に合ったピルを選択するために、主な分類と特徴を丁寧にご説明します。

ピルの種類と期待できる効果

ピルは主に「超低用量・低用量ピル」「中用量ピル」「アフターピル」「ミニピル」に分類されます。

1. 超低用量ピル・低用量ピル(LEP / OC)

エストロゲンとプロゲスチンが配合されたピルです。ホルモン配合量が少ないため、副作用のリスクが低いのが特徴です。

分類 主な服用目的 保険適用 特徴と効果
保険適用(LEP) 月経痛、月経困難症、子宮内膜症の改善など あり 治療を目的とし、ホルモン配合量が少ない超低用量タイプや、連続投与により月経回数を減らせるタイプもあります。
自費(OC) 避妊、月経周期のコントロール、PMS、ニキビの改善など なし 不正出血が起こりにくい、にきびやむくみが起こりにくいなど、世代やホルモン成分によってさまざまな特徴があります。

主な名称例

  • 保険適用(LEP): ルナベル, フリウェル, ヤーズ, ヤーズフレックス, ジェミーナ など
  • 自費(OC): マーベロン, トリキュラー, アンジュ, ラベルフィーユ, ファボワール など

2. 中用量ピル

ホルモン配合量が多く、効果が高い反面、副作用が出やすい傾向があります。

分類 主な服用目的 保険適用
保険適用 過多月経、過長月経の治療 あり
自費 月経日の移動、緊急避妊 なし

主な名称例

  • プラノバール

3. アフターピル(緊急避妊薬)

緊急時、妊娠を阻止するために性行為後に服用する専用のピルです。

分類 主な服用目的 保険適用 特徴
緊急避妊薬 緊急避妊 なし(自費) 性行為後できるだけ早く服用することで妊娠を阻止します。迅速な対応が重要です。

主な名称例

  • ノルレボ、エラ など

4. ミニピル

エストロゲンを含まず、プロゲスチンのみで避妊効果を発揮するピルです。

分類 主な服用目的 保険適用 特徴
避妊 避妊、月経痛やPMSの緩和も期待 なし(自費) 血栓症リスクの高い方の選択肢となります。

主な名称例

  • セラゼッタ、スリンダ など

基本的な服用方法

ピルの種類や目的によって服用方法が異なります。必ず医師の指導に従ってください

低用量・超低用量ピル

  • 毎日1錠を、できるだけ同じ時間に服用するのが基本です。
  • 月経初日から5日目の間に服用を開始すると、その日から避妊効果が期待できます。

中用量ピル(月経移動)

  • 生理を早めたい場合: 前の生理中から服用を開始します。
  • 生理を遅らせたい場合: 生理予定日の5日ほど前から服用を開始します。

アフターピル

  • 性行為後72時間以内(薬によっては120時間以内)に1錠服用します。
  • 効果を最大にするため、できるだけ早く服用することが極めて重要です。

大切な注意事項

1. 必ず医師の診察を受けてください

ピルは処方薬です。血栓症などのリスクを評価するためにも、服用開始前には必ず医師の診察が必要です。

2. 自己判断で変更・中止しないでください

ご自身の判断で服用を中止・変更すると、効果が不安定になったり、不正出血の原因となったりします。

3. 気になる症状は速やかに相談を

服用中に吐き気、頭痛、またはその他の異常を感じた場合は、速やかに医師にご相談ください。

4. 飲み忘れた場合

対処法はピルの種類や状況により異なります。処方時の説明書を確認するか、医師・薬剤師にご相談ください。

当院での自費ピル料金のご案内

種類 製品名 料金(税込)
低用量ピル トリキュラー 3,300円
ファボワール 3,300円
ミニピル スリンダ 3,850円
アフターピル ノルレボ 16,500円