新しい月経困難症治療薬「アリッサ配合錠」について
月経困難症治療薬「アリッサ配合錠」の概要と特徴
月経困難症は、多くの女性が日常生活において支障を感じる原因となる疾患です。本記事では、月経困難症の新たな治療選択肢である「アリッサ配合錠」について、その概要、作用機序、および服用方法を解説します。
アリッサ配合錠の概要
「アリッサ配合錠」は、器質性疾患を伴わない月経困難症の治療を目的として開発された、低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP製剤)です。
本剤の最大の特徴は、有効成分のエストロゲンとして、天然型の一つである「エステトロール(E4)」を含有している点にあります。
アリッサ配合錠の作用機序
アリッサ配合錠は、主に以下の作用機序により月経困難症の症状を緩和します。
1. 排卵抑制とホルモン動態の安定化
排卵を抑制し、内因性の女性ホルモン(エストロゲンおよびプロゲステロン)の変動を抑えます。これにより、ホルモンバランスの急激な変化に伴う諸症状の発生を防ぎます。
2. 子宮内膜増殖の抑制
子宮内膜の過度な肥厚を抑制する作用を有します。月経時に剥離する子宮内膜量が減少するため、疼痛の原因物質であるプロスタグランジンの産生が抑制され、子宮の過収縮が緩和されます。
3. 過多月経の改善
子宮内膜の増殖が抑制されることに伴い、月経血量の減少(過多月経の改善)も期待されます。
用法・用量
アリッサ配合錠は、1周期28錠の薬剤で構成されています。内訳は有効成分を含む実薬24錠と、有効成分を含まないプラセボ(偽薬)4錠です。
1日1錠を毎日一定の時刻に、定められた順序で経口投与します。この24/4日間の周期的投与により、血中ホルモン濃度を安定させ、治療効果を維持します。
処方に際しての注意点
アリッサ配合錠は、月経困難症に悩む患者にとって有効な治療選択肢の一つとなり得ます。
しかし、全ての薬剤にはベネフィットとリスクが存在し、血栓症などの副作用の可能性も考慮する必要があります。自己判断での服用は避け、必ず医師の診断のもと、適切な指導を受けてください。