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生理の量が多すぎる?塊や漏れは「過多月経」かも|産婦人科医解説(みなと横浜ウイメンズクリニック)

2025.12.25


 

女性の健康コラム

産婦人科専門医が解説

「生理の量が多すぎるかも?」

レバー状の塊、日中の夜用ナプキン…
それって「過多月経」かもしれません

 

こんにちは。
毎月の生理、こんなお悩みはありませんか?


  • 「生理の量が多すぎて、外出するのが怖い」

  • 「夜用ナプキンを使っても、1〜2時間しか持たない」

  • 「ドロッとしたレバーのような血の塊が出る」

  • 「生理中だけでなく、いつもなんとなく体がだるい、階段で息切れする」

もし一つでも当てはまるなら、それは「過多月経(かたげっけい)」という病気かもしれません。

実は日本には約600万人もの患者さんがいると言われていますが、病院にかかっているのはそのうちの3割程度。「生理の量は人と比べられないから」「我慢すれば終わるから」と、ひとりで悩んでいる方がとても多いのです。

今日は、過多月経のセルフチェックや、最新の治療法、そして生活を楽にするための工夫についてお話しします。

1

まずはチェック!過多月経のサイン

「量が多い」の基準は難しいですよね。医学的には1回の生理期間で140ml以上とされていますが、測ることはできません。
そこで、以下の危険サイン(クリニカルサイン)をチェックしてみてください。

 

ナプキンの交換頻度が高い

1時間ごとに替えないと漏れる

 

巨大な血の塊が出る

500円玉〜ピンポン玉サイズ以上


昼間でも「夜用ナプキン」やおむつタイプを使っている

寝ている間に漏れて、布団やパジャマを汚してしまう

健康診断で「貧血」と言われたことがある

動悸、息切れ、めまい、取れない疲れがある

これらに当てはまる場合、子宮に何らかの原因があるか、ホルモンのバランスが崩れている可能性があります。

2

なぜ出血量が多くなるの?

原因は大きく分けて2つあります。

① 子宮そのものの病気(器質性)

子宮の形が変わったり、内膜が増えすぎたりすることで出血が増えます。

  • 子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)
    子宮にできる良性のコブです。
  • 子宮腺筋症(しきゅうせんきんしょう)
    子宮の壁が厚く硬くなる病気です。
  • 子宮内膜ポリープ
    子宮の内側にできるイボのようなものです。

② ホルモンバランスの乱れ(機能性)

子宮に病気がなくても、ホルモンバランスが崩れることで内膜が厚くなりすぎ、出血が増えることがあります。思春期や更年期(閉経前)によく見られます。

3

「たかが生理」と放置しないで!貧血の怖さ

過多月経の最大の問題は「貧血」です。
毎月大量の血を失うことで、体は酸欠状態になります。


常にだるい、
疲れが取れない

頭痛がする

階段の上り下りで
ドキドキする

氷をガリガリ
食べたくなる

これらは「年齢のせい」や「体力不足」ではなく、貧血の症状かもしれません。治療をして貧血が治ると、「世界が変わったように体が軽い!」と驚かれる患者さんも多いんですよ。

4

我慢しなくていい!選べる治療法

今は、手術以外にも優れたお薬がたくさんあります。ライフスタイルや妊娠希望に合わせて選べます。


お薬による治療

低用量ピル(LEP製剤)排卵を抑えて子宮内膜を薄く保ち、出血量と生理痛を劇的に減らします。
ミレーナ(子宮内システム)子宮の中に小さな器具を入れ、黄体ホルモンを直接効かせます。一度入れれば5年間有効で、生理の量が激減します(場合によっては生理がなくなります)。飲み忘れの心配もありません。
レルミナ(GnRHアンタゴニスト)閉経したのと同じ状態を作り、生理を一時的に止めます。筋腫を小さくする効果もあり、手術前の治療や更年期の「逃げ込み療法」として使われます。


手術による治療

MEA(マイクロ波子宮内膜アブレーション)お腹を切らず、子宮の内側を熱で焼いて出血を止める手術です。入院期間も短く、体への負担が少ないのが特徴です(※妊娠を希望される方は受けられません)。
子宮筋腫核出術・子宮全摘術原因となる筋腫だけを取る、あるいは子宮そのものを取る手術です。

5

今日からできる!漏れの不安を解消する「神アイテム」

治療の効果が出るまで、あるいは生理期間を少しでも快適に過ごすための「サニタリーケア」の工夫をご紹介します。

過多月経専用ナプキン

ドラッグストアで買える過多月経専用のナプキンがあるのをご存知ですか?通常の夜用ナプキンの5枚分の吸収力があり、ドロッとした経血もしっかり吸い取ってくれます。

ショーツ型ナプキン
(パンツタイプ)

「おむつみたいで恥ずかしい…」と思われるかもしれませんが、一度使うと手放せなくなるのがこれ。腰まで全てガードされるので、「寝返りを打っても絶対に布団を汚さない」という安心感で、朝まで熟睡できます。

「ダブルブロック」作戦

  • ● タンポン + ナプキン
  • ● シンクロフィット + ナプキン
    (デリケートゾーンに挟む吸収体)
  • ● 吸水ショーツ + ナプキン

これらを組み合わせることで、「漏れるかも」というストレスを大きく減らせます。

6

食事できる貧血対策

鉄剤を飲んでいる方も、そうでない方も、食事で鉄分を補給しましょう。
鉄分には「ヘム鉄(吸収が良い)」と「非ヘム鉄(吸収が悪い)」があります。

おすすめごはん(ヘム鉄)

レバニラ炒め、サバの塩焼き、あさりのお味噌汁

おすすめプラス一品(非ヘム鉄)

ひじきの煮物、納豆、豆乳、ゆで卵

注意点: お茶やコーヒーに含まれる「タンニン」は鉄の吸収を邪魔します。食事中や食後すぐは避け、麦茶やお水を選びましょう。

最後に

過多月経は、「体質だから仕方がない」ものではありません。
適切な治療を受ければ、出血量はコントロールでき、貧血も改善します。

「これくらいの量で病院に行っていいのかな?」と迷う必要はありません。
生理のことで生活に支障が出ているなら、それは十分な受診の理由になります。
まずは一度、婦人科で相談してみてくださいね。

あなたの毎日が、もっと快適で軽やかなものになりますように🌸