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30代の方の乳がん検診について

2024.04.04

患者様に「乳がん検診についてどの検査をうければよいのかわからない」という質問をうけることがしばしばあります。自治体の検診(横浜市乳がん検診)などでも超音波は追加した方がよいか、とか特に会社の検診などもない場合は何歳から受診すればよいか、「20代・30代ではどの検査を受ければよいか」などといった質問を受けます。

横浜市の住民検診では40歳以上、2年に1回のマンモグラフィ検査が行われ、40歳の方には無料クーポンが配布されます。

まず住民検診が40歳から乳がん検診を推奨している根拠というのは、公共医療サービスとして社会全体の乳がんによる死亡率を下げるために検診を推奨する年齢が40歳からであるという理解が必要です。個人の死亡リスクを下げる目的とはまた異なります。社会全体の死亡率を下げるために行われる検診を「対策型検診」、個人の死亡率を下げるために行われる検診は「任意型検診」と呼ばれます。横浜市の検診も「対策型検診」の一つであり社会全体の死亡率を下げるための検診として行われる公共の事業です。人間ドックなどは個人が自身の利益を目的として行われる検「任意型検診」です。ご自身で30代のうちに乳がん検診を受診されて乳がんが見つかったという方は住民検診ではなくご自身の死亡率を下げるために「任意型検診」をご自身で選択したことにより早期発見につながったということになります。

個人の死亡リスクを、つまりご自身の死亡リスクを下げたい場合は家族歴や既往歴、内服歴などを考慮し受診時期や頻度・検査の種類を決める必要があり、それは一律に40歳で線が引かれるものではありません。例えば血縁の方に乳がんを若くして発症したり発症リスクの高い方に最適な検診は、住民健診の40歳から2年に1回マンモグラフィだとはいえません。

御家族に乳がんのかたがいらっしゃる場合やその人数、年齢によってもリスクは異なり推奨される受診の頻度や検査内容は異なります。また、ご自身の乳房のタイプによっても適切な検査が異なる場合があります。

「高濃度乳腺」と言われるタイプの乳腺をお持ちの方(日本人の40%)ではマンモグラフィだけでは病変が十分に見えていない可能性があり超音波や3Dマンモグラフィの追加した方が検出率が高くなります。どんなに優れたパイロットでも視界が不良な時は操縦ができないのと同じで画像にうつらない病変はどんなに優れた読影でも見逃されるからです。

乳がん検診はマンモグラフィ単独よりも超音波併用の方ががんの発見率は1.5倍異なるということがわかっています。被曝による不利益もないことよりまず乳がん検診を受けるときはどの方にも乳房超音波検査を受けることをおすすめします

乳がんは35歳くらいより増加してきます。当院では何も症状のない方には34歳以下の方であれば乳房超音波検査のみ、35歳よりマンモグラフィと超音波検査両方をおすすめしています。また、日本人に多い高濃度乳線(マンモグラフィで乳腺が白く濃く写ってしまい病変が隠れて見逃されてしまう)の方には乳房超音波検査のみならず精度の高い3Dマンモグラフィ(トモシンセシス)も推奨されます。折角とったのに真っ白で見えないのでは正しい診断ができないからです(※それでもなお、真っ白になってしまう方もいます。必ず超音波検査を一緒に受けましょう)。

しかしながらやはり家族歴やご自身の病歴などにより適切な検査は異なるため、わからないときは検査当日、検査前に医師に相談してから検査を受けることをおすすめします。これまでの検査の結果や家族歴・既往歴などを参考に最適な検査を提案させていただくことが可能となります、

(症状がある場合は「次の検診まで待とう」と思わずに早めに受診をしていただくようお願いいたします。)

 

 

当院では横浜市乳がん検診・子宮がん検診を同日に受診できます。
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・乳がん検診と子宮がん検診を同時に受診する方を対象に
【自費子宮がん検診(子宮頚部細胞診+経膣超音波検査)12650円➡9800円】➡詳しくはこちら
各検査を女性専門医(乳腺専門医・産婦人科専門医)が担当します。(月曜日〜土曜日)火曜定休➡10月より診療開始