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乳がん術後の下着の選び方について

2024.03.09

こんにちは。今回は乳腺外科看護師・医師による乳房手術後の下着の選び方についてのご紹介です。

乳がん術後の下着やパッドには外見を整えるだけではなく、手術をした部分を保護したり体のバランスを整えるという役割があります。

治療方法や経過に合わせて、下着やパッドを選んでいきましょう。

 

下着について

手術後にワイヤー入りのものや胸を締めつけるタイプの下着を使用すると、皮膚や傷への刺激が強く、痛みやむくみの原因になってしまう可能性があります。
また手術後には、背中に手を回しにくくなる事があります。その場合、後ろのホックを止めるタイプのものは使いにくい事があります。ご自身の術後の状態に合わせた下着選びを行いましょう。

 

①手術後1ヶ月

・前開きでノンワイヤータイプの下着やカップ付きのキャミソールなどが使いやすく、皮膚や傷への刺激が少ないためおすすめです。

・病院で紹介されている術後用の下着もありますが、最近ではユニクロや無印にも、前開きタイプの商品の取り扱いが増えています。手に取りやすい価格で、実物を見てから購入が出来ます。

 

②手術後1ヶ月後以降

・皮膚や傷の状態に合わせて、元々使用していた下着に変えても良いですが、むくみや痛みがある場合は、締め付けが少ないゆったりとしたタイプの下着を選びましょう。

 

補正パッドについて

手術によりお胸に左右差がある場合は、補正パッドを使用しましょう。左右差があると体のバランスが崩れてしまい、歪みや肩こりなどの原因になる可能性があります。手術後の経過に合わせて、形・大きさ・重さなどをみて調整していきましょう。パッドはそれぞれ組み合わせて使用することも可能です。

 

パッドの種類について

 

①綿、ウレタン、スポンジ(手術後1週間以降から)

・シリコンより安価

・洗える

・重さがなく、軽い

②シリコン(手術後1ヶ月後以降から)

・感触は乳房に近い

・重さがある

・通気性はない

③ジェル(手術後1ヶ月以降から)

・形をある程度変化させることができる

・通気性はない

 

以上、経過をみながらご自身に合った下着・パッドを選んでみてください。

また、必ずしも市販のものを新しく購入する必要はありません。家にあるパッドを重ねて使用することや、ストッキングや布などでご自身のお胸に合うように作成することでも補正が出来ます。

高価な術後補正下着は、術後早期に焦って購入せずに、十分に時間をかけてどのような下着が自分に合っているのかを模索されてから、必要に応じて検討されることをお勧めします。 補正下着を最初に買っても全く使わずもったいないことをした、というご意見も耳にすることがあります。

なにかご不明点がございましたら乳腺外科看護師にお気軽にお聞き下さい(^^)何かお手伝いできればと思います。